アパートの室内で入居者が亡くなると、状況によっては汚れや臭いがついてしまいます。
その場合は通常の室内クリーニングではなく、「特殊清掃」を行う必要があります。
でも、初めての経験だとその手順がわからないですよね。
この記事では、実際に入居者が亡くなった経験をした筆者(アパート管理会社)の事例をもとに、特殊清掃の見積りをする方法をお伝えします。
見積書のサンプルも掲載していますので、初めての人でもスムーズに対応するための参考になると思います。
目次(もくじ)
事故物件 特殊清掃の現地調査
警察に確認して室内の清掃が可能になったら、すぐに現地調査の手配を行います。
アポを取る(ご家族・特殊清掃業者)
現地調査をするためには、ご家族と特殊清掃業者にアポをとらなければなりません。
すぐに連絡してアポをとりましょう。
具体的なアポの取り方は、下記の記事を参考にしてください。
現地調査の立会いをする
アポの日時に3者(ご家族・管理会社・清掃業者)がアパートに集合して現地確認を行います。
室内の物を確認し、ご家族が引き取るものと処分するものの確認を行います。
特殊清掃の見積りを依頼する
現地調査の後に打合せを行う
室内の現地調査の後に打合せを行います。
できれば、その場で行いましょう。
一緒に立会いしたご家族に引き取ってもらう物を確認します。
その場で持ち帰る物があれば場合もあれば対応します。
(たとえば、写真やアルバムなど)
また、処分する物を確認し、特殊清掃の業者に見積もりを依頼します。
筆者の事例では、2社に見積もりを依頼しました。
- 室内の脱臭がメインの清掃業者
- 清掃・脱臭・全面リフォーム工事の業者
参考にこのときの見積書を掲載しておきます。
見積書①
見積書②
筆者の事例では会社の判断により、②の清掃と全面リフォーム工事の業者に依頼することになりました。
見積もりを依頼するときの注意点
- エアコンの交換をするか(臭いがとれないことが多い)
- 洗濯機の処分はするか
- 自転車はあるか(処分するか)
- 車はあるか(処理はどうするか)
見積書ができるまでに行うこと
見積書ができるまでの間に、ご家族に必要な物を引き取ってもらう必要があります。
現地調査の際に確認した物を引き取ってもらいます。
たとえば、後日にご家族のみで引き取りをする場合は(管理会社の立会いなし)、部屋の鍵の受渡し方法を決めてお伝えしましょう。
ご家族の立会いができないときの対処方法
特殊清掃やリフォーム工事の見積りをするにあたり、現地でご家族の立会いができない場合があります。
たとえば、室内の汚れや臭いがひどい場合や心情的な問題がある場合。
また、ご家族が遠方に住んでいたり、連絡がつかない場合もあります。
その際の手順とポイントは、下記のようになります。
ご家族と連絡がつく場合
「賃貸借契約解約通知」・「放棄書」の署名・捺印をもらっておきます。
(詳細は、関連記事 ①を参照)
現地調査が終了したら残置物の内容をお伝えし、引き取る物と処分するものを決めて「書面」で確認しておきましょう。
ご家族と連絡がつかない場合
現地調査のときに警察にも立会いをお願いする必要があります。
事前に交番または警察署に連絡してアポをとっておきましょう。
ご家族なしでの現地調査
警察にもアポを取り特殊清掃業者と現地調査を行います。
ご家族からの書類(放棄書)がある場合には、その内容を確認しながら行います。
放棄書などがない場合は、見積もりの依頼はできるかぎり室内外の残置物をすべて処分する前提で行いましょう。(下記も忘れずに)
- エアコンの交換
- 洗濯機の処分
- 自転車の処分
あとで金額が大きく増加しないように、見積り額は「最大」でみておきましょう。
まとめ
- ご家族・特殊清掃の業者と現地確認を行う
- 処分する物を決めて清掃業者に見積書を依頼する
- ご家族が立会いできない場合は、手順に注意する